アクシデント

本当に起きたサーフィンの事故

CASE.1 天候の変化によって起きた事故

あなたは雷にねらわれています。(1987/8/5)
生見海岸でサーフィンをしていた人に雷が落ち、その周りのサーファーも被害を受け、6人が死亡、6人が負傷をしました。 曇りの日は雷が起こりやすいので、遠くでゴロゴロという音が聞こえたときは、海からすぐに上がり建物や車の中に入り、 しばらく様子を見ましょう。また高い木の近くも雷は落ちやすく危険です。

 

低気圧によって波は起こる。(2001/9/8)
大洗海岸で台風の接近により、午後から波が大きくなり26名のサーファーがカレントに流されて救助されました。 彼らは地元の人々の注意を無視してサーフィンをしたのです。 地元の人々の注意だけでなく、自分でも天気図や波情報などで天候や波の大きさを予想し、無理をしないことが大切です。

CASE.2 体力(パドリング)不足による事故


テトラポット(2001/7/5)
赤羽根漁港でサーファーがカレントに流されて沖合いのテトラポットに漂着し、ヘリコプターで救助されました。 テトラポットや堤防の近くは、強いカレントが起こりやすいのです。 経験の少ないサーファーは、その流れに逆らおうとして体力を消耗してしまいます。 パドリングの力だけではなく、どのようにカレントが流れているかわかっていれば起こりにくい事故です。
川の流れ(2001/9/9)
相模川河口でサーフィンをしているうちに、カレントに流されてヘリコプターで救助されました。 河口には海だけでなく、川の流れもあり複雑で危険です。とくに雨で増水したときに、 河口に入るのは例え誰かがサーフィンをしていても絶対にやめましょう。 ※現在、相模川河口はサーフィン禁止です。

CASE.3 サーファー同士の事故

●ドルフィンスルー(崩れようとする波の直前でボードと共に潜り波をやり過ごす方法)をしていたA君のサーフボードが、ライディング中のB君にあたり右目下をケガした。 サーフボードは、浮力で海の中から飛び出すことがあります。海の中ではしっかり両手でコントロールすること。
●沖に向かってパドルしているサーファーとライディング中のサーファーA君が接触。 パドル中のサーファーのボードがA君にあたり鼓膜(こまく)が破れた。
●A君とB君が同じ波に別の方向から乗り衝突しそうになった。二人はプルアウトしたが、 その時にB君のサーフボードがA君の胸に当たり肋骨をおってしまった。

 

これらの事故は、どれもサーファーの不注意から起きています。 混雑しているときは、とくに注意をして無理なテイクオフなどは絶対にやめましょう。

事故を防ぐためのヒント

サーフィンの前に岸から波をチェックするのは、サーファーの常識です。
でもそれだけでなく、海全体をくわしくチェックすると事故防止に役立ちます。

 

●天気図や波情報で、これから波がどのように変化するのか予測しておくこと。
●水の流れや、セット(一定の間隔で押し寄せる波のこと)がどのくらいの時間でやってくるかチェック。
●海の中のサーファーがどこから海に入り、どこから陸に戻ってくるかチェック。
●ライディングしているサーファーが、どの方向に向かっていくかチェック。
●もしリーシュが切れてサーフボードが流されたときには、どのように陸に戻ればよいかチェック。

事故が発生した場合の対処

もし事故にあったり、見かけたりした時はすみやかに対処しよう。

 

もし自分がカレントに流された時
●サーフボードを捨てて泳ごうとはしない。
●カレントの流れにできるだけ逆らわずに、進めるルートで近い岸を目指す。
●もし、漁船、航空機を見た場合には両手を頭上で左右に大きく振る。これは万国共通の救助信号です。
●長時間流された場合には、ボードに腹ばいになり風や水で体温を下げないようにする。

 

流された人を見かけたら
●事故の状況を冷静に確認する。
●最寄りの警察署や付近のボート、漁船等に連絡する。

海難事故は118番(海上保安庁)に連絡しましょう。

ケガ人の救助と対応
もしケガをしたサーファーを発見したときは、つぎのように対応しましょう。

 

●海の中から早急に海岸に上げましょう。サーフボードを担架がわりにすると簡単に運べます。
●呼吸が止まっている場合は、応急処置をしよう。なるべく早く医療機関に連絡し、救助の手配をしましょう。
●ケガの程度により病院や救急車の手配をしましょう。

 

あなたが助けられたとき、または迷惑をかけた人にはお礼をするのが常識です。
今後のサーファーと、地元住民や漁業関係者との健全な関係を保つのに大切なことです。

 

参考文献:セーフティー&グッドマナー(財)日本海洋レジャー安全・復興協会