東京2020に向け燃え上がる日本人サーファー達。
堀越優樺
オリンピックニュース専門インターネットメディアAround the Ringsより
サーフィンに憧れている若い日本人が増えています。この現象は東京オリンピックに向けさらに加速すると思われます。
去る11月12日~20日、フィジーで行われたISA World Stand Up Paddle and Paddleboard Championship 2016(ISAスタンドアップパドル&パドルボード世界選手権)に参加した日本人サーファー達も、2020年に向かってサーフィンを盛り上がていく面々でしょう。
中でも今大会に日本人チームとして参加し、SUPサーフィンの決勝に進出する大躍進を見せた堀越優樺選手(17歳)は、有力選手のひとり。彼女はショートボードサーファーでもあり、東京2020に向け今後の活躍に期待がかかります。
「サーフィンが2020年オリンピック競技のプログラムに追加されたことをとても嬉しく思います。SUPサーフィンを続けながら、オリンピックに向かってショートボードに集中したいと思います」と彼女は述べました。
また同じくISAスタンドアップパドル&パドルボード世界選手権に日本代表選手として参加した、ベテランサーファーの原田俊広選手(38歳)は、
「多くの日本の若者がサーフィンに興味を持っています。2015年、USオープンで日本人初の優勝を飾った大原洋人選手には非常に感銘を受けました。今後は東京2020に向けた若手選手の育成に力を入れていきたいと思います」と語りました。
また、「サーフィンはスポーツだけでなく文化でもあります。オリンピックサーフィンが日本の若者文化を奮い立たせることになると確信しています。IOC(国際オリンピック委員会)にとっても、サーフィンのようなスポーツに取り組むのは初めての経験だと思います。この貴重な大会を通して、世の中にサーフィンの素晴らしさをどんどんアピールして欲しいと願います」とも語りました。
現在、国際舞台において目覚ましい勢いで日本人選手のレベル、成績が上昇しています。
今年9月、ポルトガルのアゾレス諸島で行われたISA World Junior Championship(ISA世界ジュニア選手権)では、国別団体で4位となり世界を驚かせたのは記憶に新しいでしょう。
ISA(国際サーフィン連盟)理事長のフェルナンド・アギーレ氏は、「日本は15年前にはトップ10に決して入らなかったのに、最近はトップ5に入ることも珍しくありません。オーストラリア、アメリカ、ブラジルなどと比べればまだまだ若いサーフィン国です。しかし日本のサーフィンには有望な未来があります」と、述べています。
※日本のサーフィン人口は200万人と推定されていますが、今後はもっと増加するでしょう。
第4回 ISA SUP&PADDLEBOARD 世界選手権に参加した日本チーム
そして、今回のフィジーSUP世界大会で日本代表チームのマネージャーを務めた横山岳男氏(元プロスキーヤー)は語りました。
「日本のサーフィンレベルはどんどん向上しています。多くの日本人サーファーが東京2020で金メダルを獲得することを望んでいます」。
それに継いで原田選手は、「日本が絶対に金メダルを取るでしょう!」と熱く語りました。
※東京2020年では、初めてのオリンピックサーフィンメダルのメダル獲得のため、男子20名と女子20名が競う予定です。
オリンピックのサーフィン競技会場について
2016年12月8日のIOC理事会において、東京2020のサーフィン競技会場として千葉県の志田下が決定したことについて、次のようにフェルナンド・アギーレ氏が述べました。
「都心から50分程度離れているので、選手はオリンピック村に泊まるつもりです。千葉は日本のサーフィン界で高く評価されています。もちろん天候にもよりますが、良い波が立つ可能性が高い場所です」。
若い堀越選手は志田下でよく波乗りをします。
「千葉は日本の中で一番サーフィンのレベルが高いエリアだと思います。コンディションが良い時は、形良い頭~頭半の波が立つことが珍しくない場所です」。
フェルナンド・アギーレ氏にとってオリンピックサーフィンは、スポット競技というだけでなく、カーニバルのようにサーフィン文化を祝うイベントだと言います。世界で有名なサーファーシンガーのジャック・ジョンソンや、伝統的なロックバンド、パール・ジャムのエディ・ヴェダーの演奏についても話しています。
また志田下は円形競技場のような地形なので、観客が直接ビーチからそれらを見ることも考えているようです。
2016年8月3日、IOCの決定により、サーフィンが正式に東京2020オリンピックより正式種目として追加されました。オリンピック競技にサーフィンが追加されたことを受け、アルゼンチン生まれのISA理事長は最後にこう語りました。
「サーフィンに対する価値観のちょっとした革命になるだろう」。